2009年6月4日木曜日

Zorki(b)のレストア-分解に着手-

余計なことはしない方が良い。
教訓としては、
特に不都合無く動いているなら調整不要!
ということをキモに銘じるべきだな。

教訓は教訓として、壊れてしまったものは直すより仕方ない。最低限の道具はあるがカニ目レンチが無いのは問題になる。DIYショップでカニ目レンチを探したが見つからない。代替品として、ラジオペンチの先を削るという選択肢もあるが削る道具がない。通販でカニ目レンチを購入しようと探してみる。

鋼板コンパス(ディバイダー)が代用になることを知る。現実に固着してしまったカニ目を力尽くで回すには頑丈で良いらしい。
これなら手に入りそうだ。ということで写真の通り入手した(850円也)。下の赤い柄のは工作用のminiプライヤー(450円也)。こいつの先端も細いので使えるかも。
道具が揃ったので、いよいよ分解に着手する。

闇雲に分解したのでは傷が深くなる可能性がある。分解の目的を明確にし、必要な範囲を分解することにする。
目的は
  1. 無限遠の横像一致の調整(軍艦部撤去しての作業)
  2. シャッター幕の状態の把握と修理
である。深刻な故障は後者であるが、技術的に難しい作業になるのも後者だ。
付属的にファインダーの清掃も考慮に入れておく。

0.パーツの管理
作業全般に言えることだが、取り外したネジなどのパーツをどうするかということだが、Web上でつらつらみるとビニールの小袋やピルケースに保管しているという先人が多い。
僕は、A4のコピー紙を使い折り紙で「薬袋」を作って管理することにした。薬袋は紙だし、パーツに関するメモも書ける。

1.側壁を外す
側壁に限らず分解の方法は「Zorki 分解 リストア」等をキーワードにググると分かるのでそれを参考にした(なので、ここでは詳細は書かない)。

ハズしたネジはなぜか微妙に長さが違ったり、頭の切り込みの太さ(差し込むドライバーのサイズに支障を来す)が違うので、ネジ1本1本ごとにメモを付記した薬袋に入れた。

マウントリングを外すとフランジバック調整の紙が挟まっているので、この紙の取り扱いには注意が必要だ。(挟まっていた順番や方向、保管中に折れないように等)

側壁を外したらシャッター幕の状態が確認できるようになった。
ラージドラムに巻き付いている幕(前幕?)のリボンが2本ともスモールドラムから剥がれてしまった。
1本(上側のリボン)はフリーな状態であるが、他方(下側リボン)は幕端の鋼板(ステー)ごと後幕?のリボンに巻き込まれている。更に悪い事にラージドラムの下部にあるギアにしっかりと噛み込まれていて抜ける状態にはない。

ラージドラムが外せれば、噛み込んだリボンは外れるかもしれないが、軍艦部を取り外ししないとラージドラムは外せない。

2.軍艦部の取り外し
取り外し手順は先人達のページに譲るが、要はファインダーレンズ(あるいは枠)を前後計4つ外すことになるのだが、4つのうち3つは親指の腹で押さえつけるようにして回したら外れた。この方法で外れなかったのは前側右。やむを得ず傷が付かないように外周に太めの輪ゴムを巻いて保護しながらプライヤーで挟んで回した。

軍艦部をはずしたところ。かなり綺麗な個体だと思う。

前側中央部のレンジファインダーの枠をハズした後にカニ目工具を必要とするネジがある(縦ズレ調整ネジ)。先のコンパスが威力を発揮してくれた。

シャッタースピード設定ダイアルの取り外しで二つほど重大な注意事項がある。
取り外しの手順としては、シャッタースピード設定ダイアルの横にある小さなイモネジを取り、ダイアルを半時計回りに回して外すことになる。
このとき重要な事は、シャッターチャージをしておかないとシャッタースピード設定ダイアルが回ってしまうということ。そうしないと最悪、僕のようにシャッター幕まわりに大きな損傷を与えることになる。
で、リボンと鋼板が絡み合っている関係でシャッターチャージをしようとするとギリギリに張り詰められている生きている方のリボンにさらにテンションがかかるのは非常に危険。
ということで、ドラムから剥がれドラムとギアに絡み合ったリボンを鋼板の根もとからカットする決心をした。

また、二つ目として左写真の通り、イモネジがシャッタースピード設定ダイアルの軸のねじ山を潰してしており、かなりの力を入れないと回らなかったことだ。(これは組み立ての際にも問題になると思う。)
上記の二つは僕が調べた情報には記載がなかったのでここで補足しておく。

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取り外したパーツが発生する度に薬袋を折って、メモを書き加えて保管するという時間のかかる作業をして思いの外疲れてしまった。
集中力も散漫になり、この状況で作業を継続するのは望ましい状態ではないので今日はここまでにしておく。
それにしてもDMC-FX1は接写が苦手なんだろうか?作業中に結構な枚数を撮影したのにピンぼけが多すぎる(後々のメモ代わりとして役に立たんぞ:笑)

で、件のリボンの巻き込みだが鋼板とリボンの接着部分からリボンをカットしないと外れないような雰囲気だった。
返す返すも「余計な事をしてしまった」と思う。

リボンだけは貼り替え必至と思われるので本日発注しておく(2009/06/04)。

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