Webでフィルム巻き上げ・巻き戻しノブが固いとかシャッターボタン回りが固いとか言う情報を目にする。中には指が腫れ上がるほど強い力がいるなどというのも見る。
「556は絶対に使うな説」と固いのはグリスが固着している為なので「556を少量(使用している内に556が行き渡りグリスの固着がゆるむ程度)使用する説」がある。
絶対使用するな説の多くの人はミシンオイルの使用のようだ。
素人の僕が読むと「何が何だかワケワカ」状態になってしまうのだが、Googleで「カメラ 注油」をキーに調べてみたら「潤滑油の研究」という記事を見つけた。
この研究の要旨は「カメラが動かない原因を正しく解決し、必要がなければ潤滑油は使うべきではない」ととき、理想的にはカメラのライフサイクルの間、カメラは注油するように出来ていない。としている。
しかし、ものごとには例外があるもので、この研究の中でも「機械が動かなくなる大多数の原因は潤滑油の劣化による固着で、これは清掃によって取り除かれなければならず、この状態で更に潤滑油を加えても状況を悪化させるだけだ」というようなことが書かれている。そして、あらゆる可動部分に適した潤滑油(オイル、グリース、ペースト)が示されている。
どうも僕自身の理解としては「潤滑油の研究」の内容がもっとも納得の行くものであるようだ。
僕の入手する(現実には、「入手しよう」としている)Zorkiは既に40年以上経過しているものであるから、10~15年とされるカメラのライフサイクルをとうに2周しているものである。
したがって「固い」という風評は、外観上可動部分の稼働について阻害する要因がなければ潤滑油の劣化による固着が原因である可能性が極めて高いことになる。
潤滑油の劣化による固着が原因だと仮定すると、解決には「専門家に依頼する」、「リスクを覚悟で自分でカメラを分解し、清掃、注油する」の二つに一つになる。
そもそも、Leicaのバルナックカメラが欲しい僕がソビエトカメラを購入したのは「Leica本体が買えない」ので、来たるべくLeica購入の際にはそれに装着可能なインダスターやジュピターの「レンズ」が主で、ソビエトカメラ本体は従の部分である。
とはいえ、せっかく本体も付いてくるのだから使えそうなら使いたい。そして「不自由を楽しみたい」とか「手間をかけたい」というのが素直な希望だったりする。
20~50千円の大金を出してソビエトカメラを「専門家」の手にゆだねるのならば、Leica本体を買うつもりだ。
僕は9千円でZorki-Zorkiを買ったが今日で2週間になるのに未だ手元に到着していない。9千円といえば安くはない。
でも、Zorkiが到着するのが楽しみで、あれこれ妄想しつつ、Webを調べて既にチェックリストを作り、到着したら簡単な動作確認を行いつつ「そのまま使う」「自分でOHする」「自分でレストアする」「諦める」の4段階評価を行い使えるものは使おうと、本当に毎日毎日、寝ても覚めてもZorkiについて調べている。
今日もWebで調べた「解体、分解」の記事を参考に精密ドライバー、ペンチ、ノギス、ベンジン洗浄の際の蓋付きガラスポット、汚れ落としの為のやや堅めのブラシ(金属製じゃない)等をリストアップし値段を調べて来た。百均で買えるものは百均で買おうとするところがナニだが、それも一つの楽しみ方に違いない。
また、先の「潤滑油の研究」にあった「シリコンオイル」「シリコングリース」「モリブテンペースト」(この代用品のリチウムペースト)等をDIYショップに値段を調べに行ったりもした。(シリコン系の潤滑油は高い:苦笑)
こういった「わくわくドキドキ」で僕は、既に643円/日(≒9千円/14日)分は楽しんでいるじゃないかと思う。
もし、完動品が到着すれば「撮る楽しみ」(あるいは思うように撮れないわくわくドキドキ)を満喫すれば良いし、例え自分で分解、清掃、注油作業を余儀なくされてそれに失敗したとしても、その作業を含めて僕は充分に9千円分楽しんだ(もっとも工具を買う費用がプラスされるんだけど)と言えると思う。
運良くうまく作業が出来て稼働品に仕上がったら「お楽しみ度」は完全に上乗せとなる。
すべては「取らぬ狸の皮算用」ではあるけど、こんなことが書けるなんて完全に楽しめているなと思う。
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