昨日、EES-2の分解・点検、対策をほどこした。
当初の診立てとして「絞りの固着」を強く疑いつつ、電気系統(セレン、露出計)のトラブルの可能性も危惧していた。
左は分解を開始し、軍艦部を取り外したところ。AUTOの下まで露出計の針が振れているのが見える(電気系統のトラブルがあればこの針は写真上、左端からまったく動かない)。この現象の意味するところは
・セレンは発電しており
・露出計は健在である
ということである。
次に点検が必要なのは、露出計に問題がないにもかかわらず「赤べろが出ない」への対策である。更に分解を進めなければならないが、分解に夢中になり途中の写真はない(途中経過の写真は他のインターネットで公開されているブログ等の情報を参考にしてもらいたい)。
赤ベロが見えるところまで分解を進め、シャッターを何度も押し赤ベロがでない原因を探る。どうもなにかにひっかかっているような感じなのだがよくわからない。ブロアースプレーで吹き飛ばしを試みるが、少しは赤ベロが動くようになったが完全に持ち上がらない。何度もシャッターを押しているうちに赤ベロが正常動作をするようになった。たぶん、なにが挟まっていたかなにかが固着していたのだろう。
赤ベロが出るようになっても絞りに変化が見られない。固着は間違いない。絞りは洗浄するしかないから、シャッターについて確認する。
シャッターの変化を目と音で確認。明るさの違い(露出計の針を見ながらセレン部を適当に隠して調整)で速度が変化していることを確信した。粘りはないようでシャッターの対策は不要と判断。
絞りユニットはレンズ銅鏡の奥にあり、ほぼ完全に分解することになる。レンズ前球部の取り外しの際に無限遠位置の印を付けておく。あとはインターネットサイトを参考に分解を進めるがほぼTRIP35と同じ構造であるため、作業は楽だった。
絞りユニットが見えるところで観察するが、外観上汚れは見えない。試しに絞りを動かすレバー?状の腕を動かしてみると確かになにやら粘りがあることがわかった。絞りユニットを外しベンジン浴で洗浄するしかないと覚悟を決める。
絞りユニットを取り出す際にカニ目があり、それを外すと裏側になにやら汚れが付いていた。油ではなさそう。どちらかというとジュースのような感じ。汚れの種類はともかく、絞りユニットを外しベンジン浴させる。その間にさきほどのジュース痕のようなものをライターオイルを綿棒しみこませたものでふき取る。ちょっと荒っぽいやり方だがレンズも裏表ともアルコールを染み込ませた綿棒でふき取る。吹き終わると微妙に黄ばんでいたので拭いてよかったと思う。
20分ほどベンジン浴させ、絞りユニットを取り出す。絞りを動かしながら乾燥を促す。
腕を操作して絞りを操作、ユニットのバネで絞りが開閉する。やはり絞りが汚れで固着していたのだ。何度も動きを確認し、軽快な開閉を確認。
あとは元通りに組み上げるだけ。
最後の前球のねじ込みの際にどうしても斜めになりかなり手間取る。かなり時間がかかってしまったがなんとか組み上げることができた。
ピントグラスで確認していないが、カメラを分解した痕跡がないこと、僕が分解した時に無限遠位置につけた印で正しく組み上げられた(ねじ切った位置からの戻し量)ことから、今朝ISO100のカラーネガフィルムを入れて試写を開始した。36枚撮りなので80枚くらい撮れるような気がするので、DEPOに出せるのがいつになるのかわからない(笑)。
分解して気がついたことがある。
いろいろなサイトを参考に分解したが、絞りユニットを固定する3本のネジにはワッシャがついているという情報だった。しかし、このカメラは所謂「後期」に属するカメラのようでワッシャは無かった。
もし、後期のカメラだとするとシャッター速度は1/40、1/200となる。
遅いシャッターの方は手ぶれ防止の意味で歓迎すべきかもしれない。高速もISO400のフィルムを使う予定のない僕としては歓迎すべきかもしれない。
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