2010年3月26日金曜日

写真の力

写真の力というベタなタイトルにしたけど、まさに写真の力を実感してしまった。

昨日、自宅の机を入れ替える為に引き出しを整理していた。引き出しを全部抜き去り、机の袋を覗くとネガが落ちていた。
ほこりが一杯についたネガをティッシュで拭き取り(本当は水洗いするのが正しい行動だろう)透かしてみるが誰が写っているのか、どこで撮った写真なのか、そもそもプライベートな写真なのか仕事の写真なのか分からない。

今朝、ネガをメモ帳に挟み、会社に持ち込んでスキャナーで読み込んでみた。
幼稚園時代の息子と娘が盆踊りに行った時の写真だった。今から18年ほど前の写真だ。
撮影者はほぼ間違いなく僕なのだろう。しかし、撮影した事実はほぼ記憶にない。

息子も娘もあどけなく、小さい。
取り込んだ画像はセピア風に仕上がっていて時の経過を感じさせ、なんだかハッキリしない写真だとも言える。構図も露出もシャッタータイミングも良い写真だとは思わない。しかし、 この写真を観て胸が締め付けられるような切ない気持ちになり、目頭が熱くなってしまうのは当然の本能なのだろう。

この写真を観て誰も同じ気持ちになることはないだろう。
こんな気持ちになるのはごく限られた人達だろう。しかし、この写真がなければそんな気持ちにはならなかったハズだ。
写真は上手い下手を考えるより、たくさん撮ってシッカリ保存し、時々眺めてみることで写真の意味が発揮されるのではないだろうか。
なにより過去を思い出すのはいろいろな意味で心の洗濯になるような気がする。

そういう意味で、撮りステするような写真の扱いは明らかに間違いだと思う。

机の掃除をしてよかったなと思う。

0 件のコメント: